色彩心理カウンセラーについて

今日は、色彩心理カウンセラーについてのことを触れてみたいと思います。

正直なところ、肩書きは何でもいいとは思っていますが、色彩心理学の原理原則を活かして心のモヤモヤを解消したり、自分の個性や強みを確認することのできるカウンセリングを行う資格として、CPAAでは色彩心理カウンセラーという肩書きを採用しています。

カウンセリングというと大げさに聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では、セッション(session)という言葉が使われることもあります。

「ミュージシャンがセッションする」というふうに使われたりする言葉ですが、その場その時のタイミングを大切に、互いに交わって心を通わせながら演奏するような、そんな感覚で、メロディこそ流れてきませんが、クライアントの言葉を心から聴くという姿勢、心から聴くことでタイミングを外さずに心を通わすこと、そういった行為としてカウンセリングのことをクライアントとセッションする、という言い方で表す場合もあります。

そうしたセッションの中で、わたしたちが大事にしたいのは“クライアントの心”です。色彩心理学の知識や情報を活用しますが、色の凄さを情報提供したいのではなく、“クライアントの心”にフィットした色の意味をお伝えしたいのです。

色には意味があるので、その意味を通してクライアントご自身が自分の心に響くキーワードから、自分にとって必要な気づきや目覚めを感じたり、新しい価値観が芽生えたり、本来の自分を思い出すことができる、それが色を用いる大きな利点となります。

色にはたくさんの意味があるため、クライアントの話す言葉をよく聞かなければ、心にフィットした意味をお伝えすることはできません。

自分の心の声に惑わされず「傾聴」すること

カウンセリングには「傾聴」が必要であることは、カウンセリングに興味を持たれたことのある方なら何となくご存知のことと思います。「傾聴」なくしてカウンセリングは成立しません。しかし「傾聴」と一言でいっても、ただ聴く、心から聴く、というだけではありません。心から聴き、共感しているうちに自分の心の声も聴こえてくるかもしれません。そんなとき、自分の意見を優先しないことも「傾聴」の一部分であると認識しておきたいのです。

クライアントがこういうことをおっしゃっている
→ こうアドバイスしよう

ではなく、

クライアントがこういうことをおっしゃっている
→ どうして、そう思うのかな?

と、さらに聴くことが大事なのです。

それはどうしてそう思うのか、そう感じるのかを心から丁寧に一緒に確認していくことで、クライアントご本人が自分で答えを導き出してくださることが多いからです。

このように「聴くこと」を重ねていくうちに、こちらのアドバイスなど必要ないことがわかってきます。

もちろん、質問ばかりではクライアントも考え疲れをしてしまうこともあるので、時折、

「今おっしゃったことが、色の意味でいうと“○○○”といったキーワードにあたるのですが、この意味について、なにか感じることはありますか?」

「この言葉で、なにか思い出すことはありますか?」

という具合に色の意味を挟んでいきます。

色の出番はほんの少しであっても、大きな気づきを得られるものです。だから、カウンセラー側の意見の出番などないのです。もちろん、クライアントに問われればお答えすることはあります。しかし、求められてもいないのにこちらから意見を言うことを前提にはお話をしません。

なぜなら、カウンセラーの答えがクライアントの答えではないからです。

たとえば、あるクライアントは『』という色の意味の中で、「自己信頼」という言葉に最も気づきを感じるかもしれない場合、セッションを担当している色彩心理カウンセラーにとって今そのときの自分には「穏やか」という言葉がしっくりきているとします。
そのとき、クライアントに「あなたは穏やかな人ですね」と言っても、当然クライアントはピンとこないことでしょう。

色は心を映し出す

同じように『青』が気になったり、『青』が好きで、『青』の心のテーマがあったとしても、その奥の引き出したい言葉は、人それぞれ、違うことが多いものです。そういった意味で、カウンセラー側の意見は必要ないと捉えています。ただ、色の意味については知っておかないと当然お伝えすることはできませんので、色彩心理学の知識や情報をしっかりマスターしておくこと、色の意味をあらゆる角度からお伝えできることは、クライアントの助けになります。

それと同時に、クライアントがひとりで必死になって考えても、なかなか引き出せない答えであっても、気になる色や好きな色、はたまた、そのときは苦手だと感じる色がヒントをくれます。そういう観点からすると、色はカウンセラー側の視点からみても、一番大切にしたい“クライアントの心”を理解するうえで、たいへん優れたツールになります。

わたしたち人間の何億とある細胞のひとつひとつに波動・波形があります。そして、色は可視光線という光であるため周波数を持っています。人間の中でうごめく振動と色の波動は共鳴・共振するため、色に反応するという質をわたしたち人間は持っているのです。そのため、傾聴のプロセスの中に色の意味のキーワードを介することで、心の中にある答え、本音や決意などにクライアントご自身が自ら気づけるようになるのです。

多くのカラーセラピーでは、色のついた瓶やカードを選び、そこから色の意味をお伝えして、心の中の問題を紐解いていきますが、多くのカラーセラピストが自分の意見を押し出してしまっているように見受けられます。これは、特定の誰かを非難したいのではなく、カラーセラピー業界の問題として長年そうした現場にいて、想像以上にクライアントの悲鳴を聞いてきたからこそ、一刻も早く改善したいと考えていることです。先程の『青』の例のような形で、自分の心にフィットする青の意味をクライアントに伝え、ゴリ押しするケースがあり、クライアントは自分の本質に目覚めるどころか、否定されてしまったり、決めつけられたような答えを言われて不快な想いをしてしまうことが多発していました。カラーセラピスト卒業生が最も多く、セッションの実績も多かった老舗スクールにいたことで、そういった現状を目の当たりにしてきました。「○○先生にこんなこと言われて傷ついた」「報われない人間と言われた」「だからダメなのよ、と怒られた」と、とてもクライアントが受け取る言葉とは思えない言葉を発している有資格者がたくさんいたのです。それは、簡単にカラーセラピストの資格を取得できてしまうシステムに問題があると捉えています。そのため、CPAAでは、たとえ資格を取得していなくても色の意味を活かして「自分が自分のカウンセラーになる!」ということを意識したカリキュラムにより、講座を開催しています。さらには、その講座を修了し講師試験をパスした講師のみが色彩心理カウンセラーとして活動しているため、一方的なアドバイスや意見を言ったりしないカラーカウンセリングを実施することを目的としています。

そういった意味で、CPAAのカラーカウンセリングを受けていただきたい気持ちは、もちろんありますが、ここでお伝えしたいことは、そういったことではなく、これ以上、色を通してクライアントが悲鳴をあげなくていいように、資格こそないけれど、色彩心理学をマスターした方々が増えていかれることを望んでるということです。
先程の『』の例をもう一度思い出していただきたいのですが、自分自身でセルフカウンセリングができた場合、自分の心にフィットした色の意味を自分で感じ取れる分、ズレがなくなります。色彩心理カウンセラーが「穏やかな人ですね」と言うようなズレがなく、真っ先に自ら「あ!自己信頼のときだ」というように、すぐに必要な色の意味と向き合えるのです。

自分のカウンセラー質を磨く

CPAAが開催しております色彩心理基礎講座、色彩心理活用術講座、色彩心理ミナモト講座を修了していただくことで、人様のお役に立てる色彩心理学の重要性を身に着けていただけます。いわば、そういったみなさまこそ、色彩心理カウンセラーとして、自分自身をカウンセリングできるようになっていただきたく、自分の持っているカウンセラーの素質を磨き、色の知識を習得し、みなさまが色を使って自分で自分のカウンセラーになるという、そういう方々が増えていかれることを切に願っています。そうすれば、本物のカラーセラピストだけが残っていくのではないかと考えていますし、本当の意味での色の魅力、威力、効果的な使い方も世の中に広がっていくのではないかと期待しています。

もちろん、当協会の講座を通して、しっかり色についての学びを深め、本当の意味での「傾聴」を理解し、ご自身で色の魅力を実感された方でしたら、CPAAの色彩心理カウンセラーとしてご活躍いただくことも大歓迎です。

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