
いまや世界中で大人気の画家
草間弥生さん
みなさま お好きでしょうか?
画家としてだけでなく
文才もあり
小説を読んでいても
その語彙力・言葉の強さ・感性は
圧巻です。
そんな 草間弥生さんは
50〜60年代に
精神的に凄く迷っていて
セラピーを受けに行ったら
気持ちはスッキリしたものの
作品がいっさい描けなくなって
しまったといいます。
「葛藤を作品のエネルギーにするから
作家はセラピーを受けないほうがいい」
精神科医であり
2千5百点以上の現代美術を
コレクションしている
高橋龍太郎氏は
そう おっしゃっています。
作家に限った話ではなく
いっそ気持ちの整理なんかしないで
あるがままの感情に委ねて
自分を生きることも
ときには大事なのかもしれません。
・・・・・・・
色彩心理の講座を開催していて思うのは
セラピー的要素はあるものの
何かを変えようとか
治そうとか
そういったことは いっさいせず
色の意味を通して
自分を見る
自分を知る
自分を感じる
シンプルに ナチュラルに
自分と向き合えるところが
いいのだろうと思っています。
自分には こういう部分がある
自分て こういう人
自分は こういうことが好き
そんな自分を感じることで
自分を見失っていた人は
自分を思い出し
自分を信じられなかった人は
自分をリスペクトし
自分らしさがわからなかった人は
ありのままの自分を感じて
それだけで
モヤモヤしたり
ウツウツしたり
ザワザワしていた心が
クリアになっていくか
もしくは
気にならなくなっていったり
するのではないかと思います。
実際に そういったケースに
お目にかかることがあります。
色を通して
自分であることを確認する行為は
心のパワーを回復させる
治癒力を育むことに繋がることでしょう。
人生はアートのようなもの
わたしは そう思います。
とくに 油絵の世界観と似ている。
油絵は 何度も
塗り重ねていくことが可能で
それが良い味を出します。
ちょっと違ったなーと思えば
ペインティングナイフで
ごっそり削り取ることもできます。
わずかに残った濁った色がまた
下地となって
独特の雰囲気となり
深みとなったり
偶然のような必然さを醸し出すあたりは
水彩画やアクリル画では
難しい表現なのです。
ディープな色
思ったのと違った色
悲しげな色
それらが混ざり合うことで
オリジナルのコントラストとなる。
まさに 人生と似ていて
ドン底の経験や思いもよらない出来事
その積み重ねで 人間味が深まり
自分らしさ 自分の在り方が
確かなものへと確立してゆく。
だから 気持ちの整理が
うまくできなかったとしても
それが 自分らしい味になると思えば
乗り越えていくことに価値があり
経験値が高まり
あとになってみれば
人生の深みを実感できるのでは
ないかと思うのです。
草間彌生美術館へでも出向きながら
人生の深みについて
考えてみるのもいいかもしれません。
こちらの写真は森美術館で
現在開催中の展示風景です。
(写真撮影OKのもです)
来年のお正月期間まで
草間彌生さんの作品を観ることができます。