グリーン・緑色の意味
自然、自然体、バランス、恒常性、生命、健康、安心、平和、安全、回復、維持、若い、瑞々しい、育つ、新鮮、潤い、エコロジー、調和、安らぎ、穏やか、リラックス、休息、自由、開放感、永遠、希望、共感、集団、集合的意識、社会、中立、平衡、平静、伝統、博愛、保護、衛生、賢明、堅実、着実、有能、効果的、再生、繁殖、癒し、普遍的愛、寛容、良識、理解力、順応、森、草、植物、我慢、迷い、常識、平凡、優柔不断、苦い、渋い、毒、当てにならない、優越感、自負心、退屈、無頓着、無関心、過度の用心深さ、疑念、嫉妬、怠惰、妬み、自分を見失う、変化の拒否、過度のストレス、疲労感、植物、生命、繁殖、再生、発芽、森林浴、リフレッシュ、平凡、優柔不断、集団、共感、調和、視野の広さ、客観性、普遍的愛、癒し、中心、スペース、ハート、心、真実、決断、決心、パノラマ的な視野、俯瞰、中間、中庸、道、方向性、時間、空間、境界、探求、協調、シンクロニシティ、羨望、隠れた恐怖
「色には意味がある」
そう聞いて、インターネットなどで例えば「色の意味 グリーン」などと検索すると、こんなキーワードがたくさん調べられると思います。
こうしてみると、一見、色々なキーワードが脈絡なく並んでいるようにも見えますが、実はすべてがつながっていたりします。
たとえば、色を理解するためのアプローチのひとつとして、色の意味を「象徴」から考えていく、という方法があります。
象徴というのは、緑色、グリーンと聞いて連想されるもののこと。
あなたは「緑色のもの」といわれて何を思い浮かべますでしょうか?
- 山や森林、木々や草葉といった自然
- 葉物野菜やブロッコリー、ピーマンなどの野菜
- メロンやキウイなどの果物
- イモムシやバッタなどの昆虫
- 翡翠やエメラルドなどの宝石
- 青信号(実際は緑に近い)
- 学校の黒板(緑色のもの)
などなど、人によって様々だと思いますが、色の意味はこうしたものから派生して得られるものです。
自然の緑からは文字通り「自然」や「自然体」といったキーワードが導かれ、冬から春にかけて植物が芽吹いていく様子からは「生命」「再生」「回復」といった意味も想起されてきます。
また、大自然の木々や植物は、地球上の様々な生き物たちと共生しており、その様子からは「調和」「共存・共生」といったキーワードが、さらには私達の生きる糧である新鮮な酸素を提供し、安らぎや目の保養になることから「安らぎ」「癒やし」「リフレッシュ」といったキーワードも導かれます。
さらには、近年ヨガなどの普及で一般の方にもよく知られるようになったチャクラとの対応もあります。
チャクラとは、簡単に言うとエネルギーや気の出入り口のこと。
肛門のそば(性器周辺)から下半身全体にかけての第1チャクラ、下腹部の第2チャクラ、みぞおち下(胃のあたり)の第3チャクラ、ハートの部分の第4チャクラ、喉の第5チャクラ、眉間(第三の目)の第6チャクラ、頭頂部の第7チャクラ、という7つのチャクラが存在します。
それぞれが色と対応していることが知られており、グリーン・緑色はハートの部分の第4チャクラと対応しています。
そのまま文字通り「心」「ハート」という意味もありますし、そこから転じて「(心の)余裕=ハートのスペース」、さらにはそのスペースから転じて「物理的な空間・スペース」という意味も表現されます。
さらには、たとえば物事を決めるときなどは、頭で考えて出した結論よりも、ハート・心が欲するものに従うほうが、その後のスムーズな行動につながったり、よい結果になりやすいといった経験はありませんでしょうか?
そうした点から「決断」や「真実(ハートの真実)」といった意味も生まれてきます。
また、グリーンの色の意味を考える上でもうひとつ考えておきたい観点があります。
それは、グリーンが「ブルー」と「イエロー」が合わさってできた色であるため、ブルーとイエローのそれぞれの色の意味が合わさることでも、グリーン特有のキーワードが導かれるということです(ブルーの意味の詳細はこちら、イエローの意味の詳細はこちらをクリック)。
たとえば、ブルーには、私たちが生まれてくるときにたずさえてくるとされる人生の使命や目的を表す「人生の青写真=ブループリント」というキーワードがあり、さらにイエローには「個性」や「ユニークさ」、「歓び」といったキーワードがあります。
これらが合わさると、自分らしさや個性を発揮しながら自分だけの人生の使命や目的へと嬉々として向かう様子が連想され、そこから「道」「方向性」といったキーワードが生まれます。
あるいは、ブルーの「思考」や「冷静」、イエローの「学び」や「知識」といったキーワードが合わさると、色々な知識を学んで、それをもとにしっかり冷静に考えることで、一面的でない広い視座が得られることから「俯瞰」「客観性」「パノラマ的な視野」といったキーワードがもたらされてくるのです。
ちなみに、こうした連想は、グリーンのネガティブなキーワードにもあてはまります。
たとえば、ハートで決断することが困難になったり、道や方向性を見誤ると「迷い」「優柔不断」「自分を見失う」といったキーワードが生まれます。また、心の余裕がなくなると「妬み」「嫉妬」といったキーワードにつながる、といった具合です。
ただ、見失うことで新しい道が見えてくるなど、必ずポジティブな側面へ繋がっていることも忘れたくないものです。
色の意味とその活用法を学ぶ上で最も大切なこと
このように、一言で緑と言っても、色々な意味があるわけですが、ここで非常に大事なことがあります。
それは、緑が気になったり、緑を選ぶ人の在り方や心の様子を、ごく一部のキーワードだけで決めつけてはいけない、ということです。
一般的には、緑というと自然のイメージや安らげるイメージ、あるいは調和が取れたようなイメージを持っている人が比較的多いかもしれません。
しかし、緑が気になったり緑を好む人が、みんな安らかで調和が取れているわけではないのです。
人生の岐路に立って道や方向性を模索している人も、視野が広く客観的に物事が見られる人も緑を好みますし、あるいはネガティブな要素に共鳴して、優柔不断になって何かに決断できない人や、周囲の人への嫉妬心に苛(さいな)まれている人も緑が気になって選んだりします。
つまり、色彩心理の観点から受講生の方やクライアントさんと向き合うときは、こうしたグリーン・緑の多様な側面をお伝えした上で、相手の心境や状況について、丁寧にヒアリングしていくことが求められるのです。
話がプライベートかつデリケートな内容に及びそうな場合は、きちんと相手に敬意を払ったうえでコミュニケーションをはかり、
「この人になら話してもいいかな」
「この人に聞いてもらいたいな」
と思ってもらえるような信頼関係を築いた上で、対話を進めていく必要があるわけです。
ところが、カラーセラピストなりカラーカウンセラーにこうした視点が抜けていると、緑が気になる人にいきなり
「バランスをとるのが上手で、周囲の人と調和できる人です」
「今が決断のときですよ」
などと勝手に決めてかかるような言葉を平気で投げかけるわけです。
ひどいケースになると、そう言われてピンとこないクライアントさんに対して
「あなたは自分で気づいていないだけで、たくさんの人と調和できる気質を持っているんですよ!色がそれを表しています!どうか気づいてください」
などと、どんどん最初の勝手な意見を押し付けていくようになったりします。
そうなると、バランスや調和、決断などと言われてピンとこないクライアントさんからすると、色彩心理はしょせん「当たらない色占い」という認識になってしまいます。
それだけならまだしも、人によっては、日々の生活で心の余裕が持てず、特定の人に対して強い嫉妬心を抱えていることで周囲と調和が取れない自分自身に罪悪感を感じてしまったりします。
こんなふうにして、カラーセラピストやカラーカウンセラーの無知や無理解から、色の仕事の現場で、色を通して自分を見失ったり、心が傷つく人が日々生まれているのです。
この「意見のゴリ押し」の罪なところは、まれにドンピシャ当たってしまうことがあるということ。
その場合、クライアントさんから出る言葉はたいてい決まっていて、
「色だけで、自分で気づいていないような色々なことがこんなにわかってしまうなんて、先生スゴいです!」
こんな言葉をひとたび聞いたセラピストやカウンセラーは、また他の人からも「スゴい先生」と呼ばれたいがために、それ以降、ますます色で人の心を「当てにかかる」ようになるケースがほとんどです。
冒頭でもご紹介したように、今やインターネットで「色の意味 グリーン」などと検索すれば、たくさんのキーワードが表示されます。
しかし、グリーンの意味を丸暗記しただけでは、色を理解したことにはなりません。
- なぜ、そのキーワードが導かれるのかという観点で、それぞれの意味を丁寧に紐解くこと
- 自分はその中のどのグリーンのキーワードと共鳴するのかを、自分の個性や性格、過去の経験などから深く考えること
- 自分とは共鳴しない、違うグリーンのキーワードに共鳴している他の人の話を聞くこと
こうした作業を通してそれぞれのキーワードを自分事として落とし込んでいく作業が大切です。
そして、その作業を通して、ほんとうの意味で色を理解してはじめて、自分も他人もほんとうの意味で理解することができるのです。
当協会の講座が、必ず2名以上で行い、参加者の人達がそれぞれ色の意味について色々な対話をすることで、それぞれの色に対する包括的な理解を深めていくスタイルを採用しているのは、そのためです。
色のキーワードがたくさん載っている本やホームページを読んだり、あるいは講師が
「グリーンはこういう意味があります、こういう意味もあります、こういう意味も…」
とキーワードを羅列して解説する講座を受講したところで、残念ながら色の理解は深まりませんし、使える知識にならないのです。
こうした誤った形で色の勉強をしてしまったことで「色って当たらない」「全然使えない」といった誤解を抱いている人がもしいたとしたら、本当に残念でなりません。
一人でも多くの人に色が持つ魅力と、色を活用することの本当の楽しさを伝えていくことは、当協会の大切な使命のひとつと考えています。