
人は効果があると言われれば、実際に効き目のある成分が一切入っていないもの(砂糖でできた錠剤など)からでも治癒されることがあります。このように「効く」と言われて投与された偽薬によって病気の改善が見られることをプラシーボ効果(プラセボ効果)といいます。
思い込む力というのは凄まじい効果をもたらします。
反対に、プラシーボ効果によって有害作用が表れることをノーシーボ効果(ノシーボ効果・ノセボ効果)といいます。
まったく薬などではない場合でも副作用があると聞けばネガティブな結果が出たり、れっきとした薬なのに患者側に治療への不信感があったりすると薬の効果が減少したりします。
ノーシーボ効果はプラシーボ効果のような望む効果ではなく、有害な結果が表れてしまうのです。
たとえば、自分がポイティング・ボーン(オーストラリア先住民の呪いをかける処刑法)の対象になっていたと知ると具合が悪くなる、など、身体が反応するのです。
実際に呪われているかどうかよりも、呪いをかけられていると思うことで死んでしまうこともあったと言いますから、ポジティブな結果もそうでない結果も、自分の思いにかかっているということ。
「病は気から」なんて言葉もありますが、気の持ちようで前向きになれたり落ち込んだりするような経験は、大なり小なりあるのではないでしょうか。
たとえば、紫色はヒーリングカラーの代表格!癒やしの鉱物として紫色のアメジストはたいへん人気があります。とはいえ、言ってみれば石です。しかし、石というのは大地の産物。何十億年という長い年月の中で地球がつくり上げた鉱石にはパワーが宿る!と言われれば、それもそうだと納得します。実際にパワーのあるものだと思うので、パワーストーンの効果をプラシーボ効果とは言いません。しかし、パワーストーンを取り扱う業者さんの宣伝広告を見ていると、魔法か?と思うくらい大袈裟な表現をしているところもあります。そう、ここですね。この「魔法か!」という気持ちで入手することで絶大な効果を引き寄せることがあるのだと思うのです。とはいえ、同じ鉱物なのに販売価格が一桁異なるようなことも有り得るので、あまりにも誇大なものは注意深くチェックしたほうがよさそうですが。
キラキラと輝くものは持っているだけでも気分のよいものなので、原石を飾ったりパワーストーンのアクセサリーを身につけることは、心ときめく素敵な行為だと思います。持っているだけでワクワクしてくるものを楽しむことは贅沢の類いではないと思いたいです。ただ、高級な宝石を買わなくても、紫色の色鉛筆で白い紙にただひたすら紫色を塗っていくだけでもヒーリング効果は得られます。ワンコインでおつりが出る金額でも癒やし体験は可能なのです。実際にそれを証明するだけの根拠はあります。しかし、否定的な気持ちでやってみた場合、ポジティブな効果は得られないでしょう。ワクワクして信じてみるのか、疑いの眼差しで信じないのか、この違いによって得られる効果は変わってくるのです。
長年、オーラソーマの講座も開催してきましたが、人による受け取り方の違いは少なからずありました。カラーボトルを体に塗る、というのがオーラソーマの醍醐味ですが、そこを理解できないとオーラソーマを存分に楽しむことは難しいものです。
もう何年も前のことですが、「色のカウンセリングがしたい」と講座を受けに来た生徒さんがいました。当時はまだ、CPAAで行なっているような色のカウンセリングをやっていなかったので、その方もオーラソーマしか近いものがなかったとおっしゃっていました。しかし、彼女はスピリチュアルなものに対して激しい嫌悪感を抱いていたので、瞑想中に誕生したボトル、占星術やタロットと関わりのあるボトル、そのボトルを塗る、これらすべてが怪しく感じられて仕方なかったようです。それでも、最後のコースまで受講して高額なボトルセット一式を購入されました。その後間もなく、怪しいと思う気持ちが拭えず、やはり信じきれないのでボトルを買い取ってほしいと連絡がきました。
その頃のわたしはまだ講座を開催するようになったばかりで経験が浅かったこともあり、彼女が怪しいと感じないようにオーラソーマの魅力を伝えるには力不足だったことが申し訳なく悔やまれますが、彼女から学んだことは大きかったので、その後の伝え方の鍛錬ができたり、信じている人と信じていない人とでは、こんなにも受け取れるものが違うのだと勉強になったので、わたしにとっては(現在に至るまでの)必要な通過点だったと感じさせてもらっています。
「下半身に赤い色の液体を塗ると行動的になれる」と聞いて怪しむ人がいるのも、わからなくはありません。わからなくもないのですが、チャクラについて、赤という色について、ボトルの中身が何でできているかについてなどをしっかり勉強して、実例なども聞いたりしたら、かなりの確率で“行動的になれる”ものであることは確かです。
実際に、赤のボトルを塗って、眠くても朝からテキパキ動けるようになったとか、行きたくない会社へ向かう足取りが軽くなったとか、行動的という意味では新しいお稽古事を始めた、苦痛だった職場を思いきって辞めたといったアクションを起こす人など、それはそれは相当な数の「下半身に赤い色の液体を塗ると行動的になれる」を目の当たりにしてきました。
「信じる者は救われる」ということですね。人は思いによって、身体が反応し、それによってメンタルにも変化が生じて、よりよい生き方ができるのです。
色彩心理学において、昨今多くのエビデンスにより、心と身体によい影響を与えることが少しずつ知られてきたように思います。とても喜ばしいことです。ただ、個人的には、自分の目で確かめていないエビデンスを全面にアピールして色彩心理学の魅力を語るつもりはなく(例題として挙げることはありますが)、自分自身の実体験や講座やカウンセリングを通して目の前の生徒さんやクライアントさんから学ばせてもらったことを大切にして、色の効果効能をお伝えしたいと思っています。
「色って本当に凄いんだ!」という実感を得ることができたのは、生徒さんやクライアントさんの目覚ましい変化や体験談を教えてもらえたからです。色の魅力を確固たるものにしてくれたのは今まで関わってくれたすべての人たちのおかげなのです。
この目で見て、この耳で聞いてきましたので、机上の空論ではない色彩心理学を講座で提供させていただいております。講座を開催するたびに参加者ひとりひとりのエビデンスを教えてもらえるので、おそらく、というか間違いなく講座をやっていて最も学んでいるのはわたしです。非常にありがたいことなので、この感激を講座やカウンセリングを通じて還元できたらと思っています。
決して、色彩心理学がプラシーボ効果だと言いたいわけではなく、むしろ信憑性は年々増えていますが、どう思うか・信じるかといったところが重要だと感じたため、今回はこのような内容を書いてみました。
何においても「ポジティブな効果を得られる!」と思うことでポジティブな結果を得られ、ポジティブな結果を得ることで、その日の気分もその先の気分もポジティブになったり、新しい視点が芽生えたり、悩みのタネが気にならなくなったり、勇気やヤル気でイキイキしてきたりと、思い込みや信じることを通して人生がより楽しくより豊かになることは大いに期待できます。
もし今、ツライ環境から抜け出したい、不安でたまらない気持ちから解放されたい、そんな心の状態で苦しんでいる方がいらっしゃったら、暗い気持ちが色によって明るく塗り替えられるのだということを信じてみませんか?
信じる者は救われます!