ストループ干渉と色彩心理学・色彩心理カウンセリング

今回は、色と文字と、脳の情報処理のお話です。

突然ですが、下の○(丸)を見て、
左から順番にその色を言ってみてください。

正解は、言うまでもありませんが
青・赤・黄色ですよね。

では
次の文字の色はどうでしょう?
左から順番に色を言ってみてください。

正解は、
黄色・青・赤ですね。

文字に惑わされて、先程の○のときより
色の認識に時間がかかりませんでしたか?

これは「ストループ干渉」と呼ばれるもので、文字の意味と文字の色を同時に目にすることで、互いの情報が干渉しあう現象を指します。
心理学者のジョン・リドリー・ストループの研究により“ストループ”と名付けられ、「ストループ効果」という言い方をしたり、認知的制御を妨げることから「認知的葛藤」と呼ばれることもあります。

私たちは一般的な情報として、さまざまな事柄を集合無意識というレベルで潜在的にインプットしています。
現代はジェンダーレスの時代ではありますが、往々にして男子トイレは青、女子トイレは赤やピンクで表現されることが多く、これが逆だと違和感を覚えることもあると思います。

こういった判断や認識はビジネスの現場で利用でき、イメージに合った色味でパッケージやホームページなどを表現することで、整合性や統一性によりイメージアップや購買意欲に繋がることがあります。

たとえば、清涼飲料水などは爽やかな青系のパッケージのほうが、無意識に海や水が連想され、乾いた喉を潤してくれるイメージを抱きやすいのです。暑い真夏に暑苦しいイメージを感じてしまうような色は、なかなか好まれません。春夏秋冬、季節ごとに洋服の色のトーンも異なる部分がありますし、桜の咲く時期には淡いピンク色のアイテムが増えます。最近(3月11日現在)では、楽天市場でミモザ特集をやっているのも見かけました。

色は個人の経験や記憶によって印象や捉え方が異なりますが、文化や地域、季節などを通して、共通して受け取っているイメージがあるのも確かです。

最初に3つの◯の色と、赤・黄色・青の文字に着色された色を言ってみてください、と言いましたが、思考的な文字の情報よりも視覚的な色の情報のほうが断然早く、瞬時に脳が反応したことと思います。つまり、人は文字そのものよりも、色に反応するほうが早く、それは自然なことなのです。

こういった点を抑えておくと、いかに色によるカウンセリングが有益であるかがおわかりいただけると思います。人は色の情報を自然にキャッチすることができるため、「言葉だけ」の情報だと考える時間がかかっても、「言葉+色」の情報になると、受け取りやすさのスピードは速くなります。そのため、腑に落とすことも早く、問題解決も早くなります。

色によるカウンセリングの利点や魅力を次回のブログ記事でわかりやすくお伝えしていきます。

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